scene 15 A-part|葛藤を胸に求め合う躰
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リビングを出て並んで歩く廊下は、妙に長く感じられた。
弟の部屋へ向かう足取りは自然なはずなのに、姉の胸の奥では、理性と本能が絡み合っていた。
(……もう、私は……翔くんと……)
思い返すまでもなく、今夜二人は既に一線を超えている。
ソファで、浴室で――拒むどころか、自ら受け入れた。
その甘美な余韻がまだ全身に残っている。
だが、それでも心にまとわりつく不安は消えなかった。
(普通の男女だったら……恋人同士として並んで歩けるのに……)
(でも私たちは――“姉弟”なんだよ……)
血の繋がりはない。
それでも、ずっと姉弟として暮らしてきた。
周りから見れば、誰もが「姉と弟」と呼ぶだろう。
――その関係を踏み越えてしまったことを、もし誰かに知られたら。
――この気持ちを恋として認めてしまったら。
考えれば考えるほど、胸がぎゅっと締めつけられる。
許されないのではないか。
自分は間違っているのではないか。
(……でも……どうしようもない……)
弟に触れられた熱、唇を重ねた感触、肌を重ねたときの幸福。
そのすべてを知ってしまった以上、もう後戻りなんてできなかった。
世間体への不安と、彼を求めてやまない心。
相反する二つの思いがせめぎ合い、姉の足取りはほんの少し乱れる。
その揺らぎを悟ったのか、隣を歩く弟が一瞬、横顔を覗いた。
慌てて視線を逸らした姉の頬は、暗がりでもわかるほど赤く染まっていた。
――たとえ世間からどんな目で見られようとも。
弟の隣にいることが、どうしようもなく幸せだった。
その答えに気づいてしまうのが怖くて、けれど同時に、胸の奥では甘い確信が芽生え始めていた。
気がつけば二人は、弟の部屋の前に立っていた。
扉を目の前にして、姉の足はわずかに止まる。
胸の奥ではまだ理性が声を上げていた。――「このまま進んでしまっていいの?」と。
そんな逡巡を見透かしたように、弟がそっと姉の手を取った。
その掌は、少し汗ばんでいる。決して乱暴ではなく、あくまで自然な仕草に見えた。
けれど――その奥に潜む「待ちきれない気持ち」を、姉は微かに感じ取ってしまう。
弟は軽く微笑んだまま、ためらいを許さぬようにノブへと手を伸ばした。
わずかに力を込めて回すと、音もなく扉が開く。
導かれるように中へ足を進めた姉の胸に、緊張と熱が同時に広がっていく。
(……世間がどう言おうと、私は……)
抗うようで抗えない。
揺れる理性を抱えたまま、それでも彼の手を離さずに、姉は静かに弟の部屋の中へ入っていった。
扉が閉まった瞬間、弟はもう迷わなかった。
繋いでいた姉の手を強く引き寄せ、そのままベッドに押し倒す。
「きゃっ……!」
短い悲鳴とともに、華奢な身体がシーツに沈む。
弟の手がためらいなくTシャツの裾を捲り上げる。
あらわになったのは、白地に小さなリボンが添えられた可愛らしいブラジャーだった。リビングで覗いたショーツとお揃いのデザイン。
「……この下着可愛いね」
低く囁いた声に、姉の頬は一気に朱に染まる。
咄嗟に胸元を両手で押さえ、視線を逸らしながらか細い声を漏らした。
「……こういうの……喜ぶと思って……」
恥じらいと戸惑いに揺れる反応が、かえって可愛いくてたまらなかった。
弟はそのまま彼女の唇を奪う。強引に舌を絡め、熱を混ぜ合わせる。
片方の手で胸を揉みしだきながら、もう片方の手はスカートの中へと忍び込んでいく。
薄布越しに触れる柔らかさ。
下着の温もりに指先が触れるたび、姉の吐息は小さく震え、姉の体がびくりと震えた。
「……そこはっ……」
小さく否定する声は、熱を帯びた吐息に溶けていく。
布越しに伝わる熱。
指先に触れた下着は、すでにぐっしょりと湿りを帯びていた。
「……すごい…濡れてる……」
弟が低く囁く。
「……っ、ちが……ちがうの……」
可愛らしい否定の声。けれど、その声は震え、足先はぎゅっと閉じられたまま。
拒むようでいて、完全に払いのける力はなかった。
弟の指がゆっくりとなぞるたび、白い下着の布地にシミが広がっていく。
その様子を目の当たりにして、弟の胸に喜びと昂ぶりが同時に弾けた。
「……いろは姉、やばい……可愛い」
押し殺した吐息混じりの声が、さらに羞恥を煽る。
弟の呼吸はもう抑えきけなかった。
手早く自らのズボンを腰まで引き下ろすと、血管が浮き出てこれまでにない昂ぶりを見せた自身が露わになった。
「……っ、や……」
姉は一瞬、弟のその昂りをみてしまい声を上げる。
しかし戸惑いの声がでるより早く、白いショーツを少し乱暴に脱がした。
ためらいなく引き下ろされる布は、腿をすべり、膝を越え、足首まで落ちる。
けれど完全には脱がせず、片足にだけ無造作に残した。
白い布地がだらりとぶら下がる、その乱れた姿。
姉は両手でシーツを掴み、羞恥に頬を染めて目を閉じる。
だが弟はその姿から目を逸らさず、荒々しい熱に突き動かされるまま、身をかがめた。
「……もう我慢できない……」
弟はもう理性を失っていた。
下着を片足に引っ掛けたままの姉の腰を強引に引き寄せ、その柔らかな脚を広げる。
「……っ、待って……!」
震える声が漏れたが、その抗いを受け止める余裕はなかった。
昂ぶりを帯びた熱が、姉の秘められた入口へ乱暴なほどに押し当てられる。
一瞬、きゅっと狭い奥が抵抗する。
だが次の瞬間、弟は腰を強く突き入れた。
「……あっ――!」
短い悲鳴が、部屋の中に弾ける。
一気に奥まで貫かれた衝撃に、姉の体がびくりと震えた。
荒々しく押し分けられた姉の奥は、灼けるように熱く、濡れて絡みついた。
溢れそうなほどの熱と湿りが絡みつき、締めつけが容赦なく昂りを搾り取ってくる。
その感触と快感に、弟の背筋が痺れるように震えた。
「……くっ……」
喉の奥で低く息を噛み殺しながら、弟は腰を乱暴に突き動かした。
ベッドが小さく軋み、重ねられた体が揺れる。
強引な律動に、姉の唇からは切なげな声が零れ落ちた。
恥ずかしさと快感の入り混じったその声は、弟の理性をさらに削っていく。
片足に残された下着が揺れるたび、姉の乱れが余計に露わになる。
その光景に目を奪われながら、弟は一心に腰を打ちつけ続けた。
荒々しい律動。
それでも姉は拒むことはなかった。
戸惑いと熱がせめぎ合う心の奥で、ただ必死に受け止めていた。
荒々しい衝動に押し倒され、捲り上げられたニットの下から覗く白いブラが、姉の胸の形を鮮やかに浮かび上がらせていた。
レースに縁取られた布が張りつくほどに肌に密着し、膨らみを包み込みながら上下に揺れる。
弟の手が荒々しく動き、胸元を覆っていたブラの布地を上へと捲し上げた。
レースに縁取られた白が無残に押し上げられ、柔らかな膨らみがあらわになる。
ひと息で解き放たれたその姿に、姉の体がびくりと震えた。
「……あっ……」
反射的に腕で隠そうとしたが、それよりも先に弟の両手が覆いかぶさり、揉みしだくように形を確かめていった。
荒々しく揉みしだかれるたび、形を変える柔らかさと、敏感な先端をかすめる指先の刺激に、姉の体は小さく跳ねる。
荒い呼吸とともに、口づけが首筋から胸元へと降りていく。
必死に声を押し殺そうとするものの、唇からは熱に溶かされた吐息がこぼれてしまう。
胸元に降り注ぐ口づけが一層深くなり、強引に吸い上げられた瞬間、背筋が痺れるように震えた。
(……そんなにしたら……もう……)
弟の手は容赦なく胸を揉み、口は甘噛みするように熱を与え続ける。
頭の中は真っ白になり、抵抗の言葉は、もはや唇から生まれてこなかった。
(……気持ち……いいよ……)
やがて弟はそのまま覆い被さり、二つの体が一つになった瞬間、弟の腰の動きが荒々しくなる。
荒い律動に翻弄され、堪えきれない声を漏らしながら、姉の腕は弟の背にしがみついていた。
(……もう、どうなってもいい……全部欲しい……)
激しく、深く突き上げられるたび、連動するように全身が甘い痺れに包まれる。
姉はついに押さえきれない願いがこぼれ落ちた。
「……っ、中に……出して……」
弟の荒い呼吸が、姉の首筋に熱を落とす。
強引な律動はさらに深く突き進み、二人の体を限界まで重ね合わせていく。
「……っ、もう……だめっ……出る……」
喉の奥から押し殺すように絞り出された声。
その瞬間、姉は必死にしがみつき、震える唇から零れる。
「……うん……いいよ……」
許しの言葉に導かれるように、弟は最後の力で深く激しく突き込む。
弟の腰が最後の一突きを刻んだ瞬間、抑えていたものが一気に弾けた。
視界が白く霞み、背筋を駆け上がる快感に身体が勝手に震える。
「……っ、く……!」
喉から絞り出された声とともに、溢れる熱が一気に姉の奥へと注がれた。
どくん、どくんと脈打つごとに、堰を切ったように奔流が流れ込み、自分の内側が空っぽになるほど吐き出されていく。
その快感は、全身の力を奪うほど鋭く、甘く、抗えない。
姉の身体はその熱を受け止め、びくりと小さく跳ねた。
「……あ……っ……」
声にならない吐息が漏れる。
押し寄せるたびに、奥から広がっていく灼けるような熱が、子宮のあたりまで満たしていく錯覚を覚える。
受け止めきれずに溢れそうになりながらも、膣内がきゅうっと反射的に締めつけ、さらに深く搾り取る。
弟はその収縮に我を忘れて腰を震わせ、また新たな熱を吐き出す。
「……っ……」
姉の目尻には涙が滲み、頬を赤く染めながら必死に受け止めていた。
その涙は痛みや後悔ではなく、熱を分かち合うことへの戸惑いと、満たされていく幸福感が入り混じったものだった。
二人の体は強く結ばれ、互いの鼓動が重なり合う。
やがて、吐き出す波が次第に静まり、弟の荒い呼吸だけが部屋に響いた。
弟の体がようやく小さく震えを止め、荒い息だけが残った。
姉は頬を赤く染め、ベッドシーツをぎゅっと握りしめたまま、胸を大きく上下させている。
中に溜め込まれた熱がじんわりと広がり、動くたびに自分の奥へ落ちていく感覚が消えなかった。
沈黙を破ったのは、掠れた弟の声だった。
「……いろは姉のあそこ……すごく締まって気持ち良すぎる」
「……ばか……」
叱るように言いながらも、声は優しく揺れていた。
弟は言葉を失い、ただ姉を抱きしめるしかなかった。
その腕に包まれながら、姉は小さく吐息をもらす。
「……嬉しい……ずっと、こうしていたい」
か細い声は、布団の中に溶けていく。
決して大きく口にできる言葉ではない。けれどその一言が、互いの胸をさらに強く締めつけた。
弟は顔を埋め、震える声で囁いた。
「……俺も……離したくない」
二人の呼吸が重なり、部屋の静寂に溶けていった。
外の世界から隔絶されたように、互いの温もりだけが残っていた。
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