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弟パート
姉パート

scene 13 A-part|清楚を装った欲望を誘う着替え

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部屋に戻った姉は、まだ頬に湯気の熱を残したままバスタオルで胸に押さえ、ゆっくりとタンスの引き出しを開けた。

並んでいるのは、パステルピンク、ミントグリーン、ラベンダー――淡い色合いの下着ばかり。
いつもなら気分で手に取ったものをそのまま身につける。
けれど今日は違った。指先が布に触れるたび、脱衣場で真っ直ぐに自分を見つめてきた弟の視線が頭をよぎる。

「……どれだったら、もっと見てくれるかな……」
小さく呟きながら、ひとつひとつを持ち上げてみる。

可愛らしいピンクを胸にあててみる。
――でも、甘すぎる気がした。
ラベンダーの落ち着いた色を広げてみる。
――これも悪くない、けど今日は違う。

そして、奥に畳まれていた一枚に目が留まった。
真っ白なブラとショーツ。
レースで縁取られ、小さなリボンが添えられた、清楚でありながらどこか幼さを残すデザイン。

手に取った瞬間、胸の奥がじんわりと熱くなる。
「……これ、絶対……」
言葉の続きを飲み込む。

選んだ理由ははっきりしていた。
清潔感のある白は、弟が一番好むんじゃないか――そんな確信にも似た期待があった。

鏡の前でそれを軽く身体にあてがう。
布越しに映る自分の姿に、頬が熱を帯びていく。
胸元を包む白がやけにまぶしく感じて、思わずバスタオルを抱き寄せた。

「……なに考えてるのよ、私……」
小さく呟いた声が、静かな部屋に溶けていく。

けれど指先は、結局その白い下着を離さなかった。
自分でも信じられないくらい、弟の反応を想像してしまっていたから。

姉はタオルを椅子の背にそっと掛けると、白いブラを胸元へとあてがった。
ひんやりとした布地が肌に触れ、思わず背筋が小さく震える。
背中に腕を回し、ホックを留めると、胸を包み込む感触に心臓の鼓動がさらに速まっていった。

鏡に映る自分の姿。
清楚で可愛いはずのデザインが、今はどこか背徳的に見えてしまう。
「……翔くんに見られることを考えて選ぶなんて……」
唇に乗せた声はかすれ、けれど表情は否定しきれない照れ笑いを含んでいた。

続けてショーツを手に取る。
白地に小さなリボンが添えられた布をゆっくり腰に沿わせ、脚を通す。
ウエストまで引き上げた瞬間、鏡の中で全身が完成する。

レースの縁取りが腰のラインを際立たせ、純白の布地が素肌の淡い色と対照的に映える。
その姿を見た瞬間、胸の奥がぎゅっと掴まれるように熱くなった。

「……これ……翔くん気に入ってくれるよね……」
思わず口にして、はっとして唇を噛む。
羞恥で頬が真っ赤に染まり、両手で顔を覆いたくなる。

それでも白い下着はしっかりと身につけられていた。
白を纏ったまま、姉はそっとクローゼットの奥からプリーツスカートを引き出す。

着替えを終え、クローゼットの前でしばらく立ち尽くしていた。
本来なら、パジャマかラフな部屋着を身につけて布団へ潜り込むだけのはずだった。
けれど、なぜか手は迷った末に、Tシャツと、ミニのプリーツスカートを取り出していた。

(……寝るだけなのに、どうしてこんな格好……)

自分でも首をかしげたくなる。
けれど、ふと――以前、この服を着ていたときに弟が「その格好、可愛いね」と褒めてくれたことを思い出してしまった。
その記憶が背中を押し、気がつけば服を手にしていたのだ。

ニットを頭からかぶり、スカートを腰に通す。
布が肌を滑る感触と同時に、胸の奥がじんわり熱を帯びる。
姿見に映る自分を見つめれば、清楚さと可愛らしさを同居させたコーディネートがそこにあった。

「……バカみたい。どこに行くわけでもないのに……」

苦笑しながらも、心臓の鼓動は早まるばかり。
たとえ外からは見えなくても――短いスカートの裾の下に、さっき自分で選んだ純白の下着がある。
ちょっとした仕草や角度で見えてしまうかもしれない。
そんな意識がほんのり胸をくすぐり、頬を熱く染め上げた。

深呼吸をひとつ。
胸元を軽く押さえ、気持ちを整えるようにしてから部屋を出る。
静かな廊下に足音を忍ばせ、リビングへ向かう。
そこには、きっと弟が待っている。
そう思うだけで、頬がまた赤くなるのを止められなかった。

scene 13 B-part

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